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逮捕の種類

最近スポーツ選手や芸能人が逮捕されたなどのニュースがよく取り沙汰されています。「何時何分に現行犯逮捕」といった台詞をドラマで聞く機会もありますが、そもそも逮捕とはどのようなことを言うのでしょうか。
このページでは逮捕の種類や特徴など、それぞれの性質についてご紹介いたします。

逮捕とは

逮捕とは、警察官などが罪を犯したと疑われている被疑者が逃亡や証拠隠滅するのを防ぐため、少しの間身柄を拘束することを指します。
逮捕の他に検挙という言葉もたまに耳にしますが、これは警察官などが認知する犯罪行為の中で、被疑者を取り調べすることを意味しますが、必ずしも強制的に身柄を拘束しないという点が、逮捕とは違います。被疑者の都合で別の日にしてもらったり、一旦取り調べを受け、好きな時間に帰宅することも可能です。

種類

逮捕には3種類あります。「通常逮捕」「現行犯逮捕」「緊急逮捕」の3つです。
通常逮捕とは、逮捕状があらかじめ発せられている場合において、犯人を逮捕する手続きのことを言います。名前の通り原則的な逮捕の手続きです。
現行犯逮捕は、逮捕状がなくても誰でも逮捕できる手続きのとこを言います。例えば歩道を歩いている人の背後からバッグを盗んで逃走した犯人を追いかけて逮捕するような場合が当てはまります。
また現行犯ではなくとも、犯罪をした後に犯人とされている人や犯行現場付近で凶器となるものを持っている人についても、現行犯に準じる人となり、逮捕状がなくても逮捕が可能です。これについては準現行犯逮捕といいます。
緊急逮捕は、被疑者が重罪を犯したとするに事足りる十分な理由があり、逮捕する緊急性がある場合に、逮捕状がなくても逮捕できる手続きのことを指します。

通常逮捕の条件と特徴

通常逮捕には、被疑者が罪を犯したことを疑うに事足りる相当な理由ならびに逮捕の必要性、そして逮捕状が必要となります。

  1. 被疑者が罪を犯したことを疑うに事足りる相当な理由
  2. 逮捕の理由と言われるこの要件は、刑事訴訟法上で規定されています。具体的に言うと、特定の犯罪が存在して、逮捕される者がその犯罪を犯した可能性が高くあるという事実が必要になります。
    例えば犯行現場の隣に暮らしているだけでは事件への関与の可能性は薄く、逮捕の理由がありません。しかし、その人が犯行時刻に現場に出入りしたことが防犯カメラや誰かの証言により明らかになると、その事件への関与の可能性が浮上し、逮捕の理由があるとされます。

  3. 逮捕の必要性
  4. 逮捕をする目的は、被疑者の逃亡や証拠の隠滅を防止することにあり、それらをする可能性がないのに強制的に身柄を拘束しておく必要性はないと考えられます。よって、被疑者が逃亡するおそれや証拠を隠滅するおそれがあれば、逮捕の必要性が認められるということです。
    無職の人や独身者、住所不定の人は、必ずしも一定の場所に留まる必要がなく、逃亡する可能性があるといえます。また、重罪を犯した人も、捕まるくらいなら逃げてしまえという気持ちになりやすいため、逃亡する可能性が高まります。逆に家族がいたり定職に就いていたり、持ち家がある人などは現在の生活圏から逃げる可能性は低く、逃亡のおそれは少ないと考えられます。
    集団犯罪などでは、被疑者の身柄を拘束しておかないと、共犯者と口裏を合わせられる可能性があります。口裏を合わせられると真実が不明瞭になり、証拠隠滅の可能性が高まります。また、犯行の目撃者が逮捕者の知り合いである場合、脅迫などによって証言をさせないようにする可能性もあるので、このような場合にも証拠隠滅のおそれがあると言えるでしょう。

  5. 逮捕状
  6. 逮捕状とは、裁判官が発布する逮捕の権限を認める許可状になります。警察官が逮捕状を請求して、裁判官が一定の要件を満たすか否かを判断し、発布されます。逮捕状の発布により、これに基づく逮捕が通常逮捕となります。

通常逮捕の特徴

通常逮捕の主体となるのは警察官や検察官で、最も原則的な逮捕の形態です。
逮捕をするということは、強制的に人の体を拘束することにより、重大な不利益を逮捕者に与えるため、その人が本当に犯人かどうかの慎重な判断が必要になります。そのため逮捕前に、第三者的立場の裁判官に判断を求めて許可を得るという意味で、逮捕状の発布と請求が求められます。逮捕状には、被疑者の名前や罪名、住所、疑いのかかっている犯罪事実の要旨等が記載されています。
通常逮捕をする時には、被疑者に逮捕状を示してから被疑者を逮捕します。逮捕状を示すことは法律により定められています。逮捕をする警察官が逮捕状を持っていない場合でも、急速を要する時は通常逮捕をすることができます。

現行犯逮捕の条件と特徴

現行犯逮捕が適用される時は、犯人が犯行中、または犯行直後なのが認められる場合です。刑事訴訟法において、現に罪を行い、または現に罪を行い終わった者と規定されており、犯罪と犯人の明白性といわれます。警察官が持ち物検査をしたら、その人が覚せい剤を持っていた場合、その人が覚せい剤所持という罪を犯したと間違いがないとされ、犯人と犯罪が明白です。よって警察官はその者を現行犯逮捕することができます。
現行犯逮捕の特徴は、警察官だけでなく一般市民でも被疑者を逮捕できることです。一般市民が逮捕できるのは、現行犯逮捕か準現行犯逮捕の場合になります。
また通常逮捕とは異なり、逮捕状がなくても逮捕できます。目前で犯罪が行われていた場合、裁判官の判断を仰がなくてもその者が犯人だと分かります。なので令状は不要となります。目前で犯行が行われているのに逮捕状を請求していては、犯人に逃げられてしまいます。

準現行犯逮捕が適法される条件と特徴

刑事訴訟法上で準現行犯として無令状で逮捕することができるのは次になります。
まずは犯人として追呼されている場合。これはその人を犯人だと明確に認識している人により、追跡や呼号を受けていることが明らかな場合をいいます。次に盗品または明らかに犯罪に使用したとされる凶器等を持っている場合。続いて身体や衣服に犯罪において付いた顕著な証跡がある場合です。衣服に血がついていたり、放火後についた煤などが顔についていたりするとこれに当てはまります。そして誰何されて逃げようとする場合もこれが適用されます。誰かに呼び止められても逃走しようとする状態です。
また罪を行い終わって間もないと明らかに認められる時とは、犯行中や犯行直後ではなくても、被疑者がいた場所や現場からの距離、時刻などから犯行と犯人の明白性がある場合を指します。ただし犯行が行われているのを見たなどの現行犯逮捕時ほど犯行と犯人の明白性は不要となります。
準現行犯逮捕の特徴としては、現行犯逮捕に準ずる逮捕なので、一般市民でも行える点と逮捕状がいらない点は同じです。ただし犯行を直接見たわけではないため、犯行と犯人の明白性を上記のあらかじめ定められた事情で補っています。

緊急逮捕の条件と特徴

緊急逮捕が適法となるには、死刑や無期、もしくは長期3年以上の懲役もしくは禁錮にあたる罪を犯し、そのことを疑うに足りる十分な理由があること。そして急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないことです。このことは刑事訴訟法に定められています。
死刑や無期、もしくは長期3年以上の懲役もしくは禁錮にあたる罪とは、殺人罪や強盗罪などの重罪です。また、暴行罪や公然わいせつ罪などの罪では、この要件を満たさないので、緊急逮捕されることはありません。
緊急逮捕の特徴として、主体となる者は警察官や検察官と決まっています。
緊急逮捕は逮捕状がなくても逮捕できる手続きですが、緊急な場合と限定されており、逮捕後には逮捕状を裁判官に請求しなければなりません。
逮捕状を求められた裁判官は、この後緊急逮捕の条件を満たしているのか、逮捕を続けなければならない理由はあるかを審査し、この条件を満たしていない場合は、逮捕された人は釈放されます。

逮捕を回避するには

逮捕が決定すると最大3日間身体を拘束され、勾留が決定するとさらに最大で20日間の拘束が続きます。定職に就いている人や予定がある人にとって、逮捕は大変な不利益となります。
しかしながら逮捕状が発布されてしまうと、弁護士の力をもってしても逮捕を阻止することは不可能となります。
このため逮捕されるまでの行動がとても重要となります。具体的には弁護士をつけた方が良いでしょう。
逮捕前であれば、弁護士を仲介に挟み、被害者との示談をして被害届を取り下げてもらって事件を解決させ、逮捕を回避することもできます。
弁護士をつけずに被害者と示談を試みても、警察や検察も被害者の連絡先を教えてくれることはほぼありません。そのため示談どころか連絡さえ困難となります。
逮捕されないよう弁護士に依頼や相談できるのは、逮捕状が発布される前だけなので、罪を犯したが逮捕はされたくないと思ったら、早急に弁護士に相談するべきです。

まとめ

普段ドラマやニュースの中で逮捕という言葉を聞くものの、実際はどういった種類や特徴があるのか知らなかった人も、ここまで読めば仕組みや概要をご理解いただけたのではないでしょうか。きちんとした内容を知った上でドラマやニュースを見てみると、より深く事件や犯罪のことを知れるようになるでしょう。